リレーエッセイ12月

バリ島の視察を終えて   菅家美千代

私は仕事の関係上、海外との関係をとても大切に思っています。
コロナの影響でここ数年海外へ行くことができなかった事もあり、今年に入って台湾を含め数カ国、教育を通して海外視察に出ております。

今回は観光地としても人気の高いバリ島をメインに12校のインターナショナルスクールを視察してきました。
バリ島といえば美しい自然と文化が融合する癒しの島であるといった魅力から、世界的に有名なリゾート地で、コロナ明けのバリは多くの外国人ですっかり賑わいを取り戻していました。欧米人が多く、戦争を逃れたロシア人、ウクライナ人の移住も多くありました。

また8年前に訪れたバリとは全く異なり、経済急成長中のインドネシアであり日本とは違う活気溢れた雰囲気もポジティブなイメージとして強く印象に残りました。

インドネシアもまだ開発途上な部分があるとはいえ首都のジャカルタは高層ビルが立ち並び信じられないぐらいの発展を遂げており、バリ島も世界各国から観光客が集まるインドネシアの中でも比較的裕福な場所です。
バリ島のインターナショナルスクールは世界中の子どもたちが集まり、自然溢れた環境の中で実に多くの国の価値観や多様性と共存しながら運営が行われていました。

日本の学校では今、外国籍の児童が増えてきていますが、多様性に関してはまだこれからだというイメージを持っています。
バリ島のスクールでは様々なバックグラウンドを持った生徒が在籍しています。多様な価値観や文化的背景をもった生徒が一緒に学び生活している姿を見て、またお互いの多様性を尊重し、自身の夢や目標に向かってイキイキとした表情で日々の生活を送っている姿を拝見して、私の身近にいる方々にも、見て感じていただきたいと思う気持ちを強く思いました。

今の子どもたちが社会に出るときは、今より更に外国人との共存共生が進んでいるからです。
私たちが育ったころと現代の子どもたちの環境で大きく異なるのは、本当にますます先が読めない時代になったと感じます。

AI(人工知能)という言葉が普通に使われるようになった今、人間の役割がどう変化しているのか?数年後のことでさえ分からない環境の中で、今できることを今のうちに経験して蓄積し、今後、世界基準に沿った社会の中で日本人として率先した対応ができる私たちでありたいと思いますし、そういう基盤作りの幼児教育とはといつも考えています。

今後も日本の教育枠を飛び越えて、肌で感じ身を持って経験できるような場づくりを行いたいなと思っています。語学力の重要性に気づき、その語学力を使いながら多くの経験を積み、日本はこんなに恵まれているということに気づいて欲しいですし、海外を通じて日本の良さを改めて気づき日本をアピールできる国際人が増えていって欲しいなと思います。

何より、バリ島の豊かな自然、現地の人の温かさ、活気に溢れた美しい笑顔に沢山のパワーを頂けたことが今回の一番の収穫でした。