リレーエッセイ8月

怖さの先にあった安心     伊藤道子

13年ぶりに人間ドックを受けました。
 きっかけは、医師である娘が私の人間ドックを”勝手に”予約してくれたことでした(笑)。「今の医療は、病気になってから治す時代ではなく、早期発見・早期治療、そして予防医療が基本だから」と何度も勧められ、ようやく重い腰を上げることができました。 実は13年前、大腸内視鏡検査を受けた際、検査中に鎮静が切れて意識が戻ってしまい、強い痛みと不快感を覚えた経験があります。そのつらい記憶がトラウマとなり、それ以来、大腸検査から足が遠のいていました。
 今回久しぶりに検査を受けてみたところ、大腸にポリープが4個見つかりました。そして、その検査でも13年前と同様に途中で鎮静が切れて苦しい思いをしました。「やっぱりまた同じだった…」という不安から、ポリープ切除術は消化器内科医である実姉にお願いすることにしました。結果的に、鎮静もしっかりと効き、起きた時には無事に終わっていて、とても安堵しました。 大腸ポリープは、放置すると将来的に大腸がんへ進行する可能性があります。今回のことを通して、ポリープの段階で発見し、切除することの大切さをあらためて実感しました。
 「怖いから」と検査を避けていた自分だからこそ、同じように不安を感じている方へ伝えたいです。一歩踏み出して検査を受けることで、自分の健康を守れるかもしれません。
 これからは怖さだけで検査を避けることなく、定期的に検診を受けながら、健康に歳を重ねていきたいと思います。