リレーエッセイ8月

25年ぶりのイタリア旅行    前田貴代江

 今年の春に、息子の春休みを利用して、約25年ぶりにイタリア旅行に行ってきました。久々の観光だけの旅行でした。2人の息子の受験が2年続き、受験が終わったあとの自分へのご褒美として旅行を計画しました。昔、学生時代に、「感性の高い若者のうちに、色々なものを観た方がよい。」と聞き、それを信じて、バイトでお金を貯めながら旅行に行ってました。今回、息子にも美しい歴史的な建造物や美術品を観てほしいとイタリアを選びました。
 イタリアには25年くらい前の学生時代に友人達と個人旅行で行きました。当時は今のようなスマホもない中、自分達で何とか列車を乗り継ぎながら、イタリアを巡りました。初日の宿がヴェネツィアで、ヴェネツィアはタクシーが存在しないのに、夜に到着してしまいました。紙の地図を見ながら、石畳の細い暗い道にスーツケースをゴトゴト押しながら不安な思いで街をさまよった事が忘れられません。そんな苦い経験より、今回の旅行はパッケージツアーを利用してみました。パッケージツアーは、毎朝6時半モーニングコール→7時から朝食→8時に出発と、なんだか修行ような日々でしたが、とても効率にスケジュールされ、短期間で色々なところに行けて、イタリアのダイジェスト版としては、とても良かったと思います。
 25年前と大きく変わってたのが、オーバーツーリズムとユーロ高でした。日本でもインバウンドで観光地は大変な人混みですが、イタリアも同様でした。とくにローマは、まるで混雑時のディズニーシーのような感じを受けました。記念写真撮るのも、トイレも、人気店のジェラート食べるのも長蛇の列…。しかし、今回のイタリア旅行を息子も大変満足してくれてたようでよかったです。いつまで、一緒に旅行に行ってくれるのかな…。
「感性の高い若者のうちに、色々なものを観た方がよい。」という言葉の検証ですが、今回のイタリア旅行は、25年前と同じ物を見物する事が多かったですが、素晴らしい物はいつ観ても感動しました。感動度合いは、若かった時の方が高かったのかもしれませんが、これは初めて観るか否かの違いなのかもしれません。また、時間を見つけて、色々なものを観て廻りたいと改めて思いました。おすすめの観光地あれば是非とも教えて頂きたいです。