リレーエッセイ8月
花の力 前田智子
美しいバラの花に魅せられて10年ほど前から育てます。毎年少しずつ株が増えいろんな品種のバラが30株になりました。
一年を通してのお世話加減で花の咲き方が違い、私の気持ちを察しているかのように正直に美しい花で応えてくれます。
寒い冬の2月、どの枝をどの長さで切ろうか?と悩みながら剪定し、肥料を加え、新しい芽シュートが出るのを待ちます。
3月、枝から芽が出シュートが勢いよく伸びる力強さは、生命力・パワーを感じ、嬉しい時ですね。
4月、新葉がしげり蕾が膨らみ初め、5月たくさんの花が咲き始めます。
今年は一段と美しく、淡いピンクの愛らしいピエール・ドゥ・ロンサール、甘い香りを楽しませてくれる真っ白な大輪のホワイトクリスマス、心静かにさせてくれる紫色のノヴァーリスなど・・・今まで経験したことがない不安な日々、長引く自粛生活に気持が沈みがちでしたがバラの花に癒されました。いつもと変わらず美しく咲く花は生きる力を与えているかのようにも思えます、大丈夫!と。
夏の季節は秋開花の準備期間。
バラは悪天候でうまく栽培できなかった時でも、冬になったら剪定し葉を切り取りリセットしたら来春は力強く芽が出ます。
咲き誇るバラは何があったとしても、どんな環境であっても、変わらぬことの大切さを教えてくれているようです。