DV防止セミナー(熊本市男女共同参画課主催)

「DVや児童虐待に傷つけられる脳(マルトリートメント)とは?」
 講師:友田 明美氏(福井大学子どものこころの発達研究センター教授)


 小児科医の友田氏は熊本大学を皮切りに、ハーバード大学での客員助教授等を経て現職にあり、近年はメディア(NHKプロフェッショナル等々)でも大きく取り上げられ活躍中。

 長年の研究から、虐待が子どもの脳を大きく損傷していくことを検証され、また虐待による子どもの死亡、犯罪、生産性の損失、生活保護等々から算出された膨大な公的経費なども例に出された。

 ともかく、虐待による脳のダメージは測り知れないということを理解しました。

 友田氏は、「虐待」というより、「マルトリートメント(不適切な養育)」という言葉を広く認知して欲しいと訴えた。「虐待」というと自分には当てはまらないと思う親は多く、それに近い行為そのものが見過ごされてしまう可能性があるため、より広義のマルトリートメントの概念が必要であると。

 マルトリートメントとは、虐待とは言い切れない大人から子どもに対するよくない関わりということ

 例えば、夫婦喧嘩を我が子に目撃させることは代表的なマルトリートメントであり、子どもは大きなストレスを受けるのです。また、スマホなどを用いた「ながら育児」もそうです。

 しかし、傷ついた脳の修復は可能ということです。

 そのためには、愛情とぬくもりのある「養育」が必要であり、親が健全であることが求められる。現代社会において、育児困難に悩む親たちを社会で支える「とも育て(共同子育て)」が必要であると力説された。

 私たちに、「おせっかいでありなさい」と投げかけました。