リレーエッセイ 4月

春の日に…               坂田由乃

桜の花も咲きはじめ卒業・入学のシーズンとなりました。
今年、2人の息子達が高校、中学校を卒業することになりほっとしたと同時に今までの子育てを振り返る時間にもなりました。
長男は発達障がいがあり、ここまでくるのに教育関係者、地域の方々、たくさんの方に出会いお世話になりました。学校生活で1番困ったことはディスグラフィア(書字障がい)です。
字がスムーズに書けない、特に画数の多い漢字は霧がかかったように見えるそうです。
今の熊本の学校教育では「書く」ということは必須です。
支援学級で個別に学び努力しても希望の高校へは行けず、自暴自棄になる長男…かたや、努力したことが結果になり希望を実現化し楽しそうに学校生活を送る次男。そんな次男を横目で羨ましそうに長男が「当たり前に生まれてきたかった…」と呟いた時には母として申し訳ない気持ちで一杯になりました。
「書く」ことに解放された今、有意義な日々を送って欲しいと思います。
また、長男のおかげでたくさんのことを学んだ経験をこのソロプチミストを通し、今度は地域の方々へお返ししていきたい…と考えた春の日でした。