リレーエッセイ5月

波多津んもん会    永島静子

「なんて読むんですか?」
「はたつんもん!!」私達は中学生の頃に戻り無邪気に応える。笑い声が途切れる事なく、いい大人達がはしゃぎ回っている。今年も元気に集まることができた。今回は京都の桜を見る旅行。
還暦を迎えた頃 2年置きぐらいに旅行をしようと、中学校のクラス会で決めた。幹事は交替で季節も決まってないが、10年近く続いている。6回目の波多津んもん会は関西方面のN君が幹事をしてくれた。ちなみに5回目が私。地震の後の熊本を見てほしくて案内した。
人数は毎回、30人程である。仕事や家庭の事情により参加出来ない人もいるけど、不思議と誰か幹事をしてくれて、続いている。もう古希をという、おじさんおばさん達は、この旅行に集まると何故か、中学生。お互いの呼び名も昔のまんま。ちゃん付け君付け、呼び捨てで、話も毎回、何を見てもやっても昔の話に繋がって行く。
私が卒業した中学校は、山と海に囲まれた田舎。自然に恵まれているが、貧困村だった。中学校を卒業すると多くの仲間は県外に出て行く。それぞれの道を必死に歩いて今の生活を掴んでいる。地元に残った人達も地域を守り、発展の為頑張っている。
同級生が一緒に旅行が出来ることが、今ここに居るが幸せなんだ!
同じ景色を見て
歓声を上げる。
留守を守ってくれる家族に感謝して、
「古希のお祝いを一緒にやろう!」
二見ヶ浦の海を見ながら約束を交わして、3日間の旅が終わった。