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 リレーエッセイ

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すみれメンバーが毎月交替で執筆します

幸せな匂い
平成24年6月
坂本 緑

 子供の私に父はよくこう言っていた。「男には美味いものを食わせろ、それだけでいい」食事さえきちんとしていれば男は働くものだという父の見解だったのだろう。まあ。時代も高度成長期前であり、田舎ではまだ外食ということも珍しかった頃である。母は今で言う「地産地消」(当時はそれしかない)の食材でいろいろと料理した。(父曰く、嫁に来た頃は味噌汁もままならなかったそうだが)

 ”パンパカパパパパパンパンパ〜ン♪♪”とTVが鳴り出すや、NHK「今日の料理」の江上トミさんに毎日お会いしていたものだ。そういう刷り込みのせいか、私は食事を作ることに興味があり、好きである。中でもパンやお菓子はよく作る。あの香ばしく、甘い匂いはたまらない。バターを取りだすや、Jack(我が家の愛犬)はスックと立ち上がりキッチンに全力集中。子育て時代、ランドセルを背負った子供達は遠くまで漂う「待ってるよ〜」という甘い香りを嗅ぎながら、「お母さん、いい匂いだね」と帰ってきたものである。幸せな匂い、それは些細な不愉快さなどはサッと一掃してくれる力がある。家族の円満は第一に食ありと私は信じている。それは父や母の無意識の教えでもある。いつの時代も、何処の家庭でも「おふくろの味」が語られ、女性には食事を作り続ける限り「十八番」がそれぞれにある。おはぎ、お団子、お漬け物etc。私の子供達は何を挙げてくれるだろう、ピロシキ? チーズケーキ? モンキーブレッド? 「お母さんの○○は美味しかったよねー」という会話をあの世で聞く楽しみが私にはある。

 さて、超簡単で100%満足のとっておきレシピを皆様に紹介します。
 食卓に彩りと話題を添えてくれること間違いなし。ぜひお試しを!





グレープフルーツゼリー


材料: グレープフルーツの絞りジュース 300〜350g (2〜3個分)
A 砂糖 150g
アガー  20g
400g
コアントロー(香り付け) 少々(なくてもよい)
     ※砂糖はグラニュー糖にすると上品な味になる

【下準備】
グレープフルーツは天地に垂直に切る。
中身をくり抜いて、さらしや布巾で絞る。
絞った果汁は濾し器で濾す。
アガーと砂糖は混ぜ合わせておく。
【作り方】
   @ 材料Aを少し炊く。(アガーは温度を上げないと水に溶けない)
   A 沸騰直前で火を止めて、グレープフルーツ果汁をAに混ぜる。
   B コアントローを少々入れ、さらに軽く混ぜる。
   C プリン型などの容器にグレープフルーツの皮をのせ、ゼリーをギリギリまで注ぐ。
(皮がゼリーを吸収するので、表面いっぱいまで注ぐこと)
   D 残ったゼリーは透明の容器などに入れる。
   E 粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やす。(常温でも固まる)




              
   
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