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リレーエッセイ |
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すみれメンバーが毎月交替で執筆します |
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少年友の会で京都医療少年院を訪れて |
平成24年2月
森山美知子
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少年友の会とは家庭裁判所などに協力して,非行のあった少年・少女の再犯防止と社会復帰や健全育成を社会福祉的立場から援助するために全国に設立されています。
熊本少年友の会は平成10年7月発足し、家庭裁判所内に事務局を持つ民間ボランティア団体です。公的助成は一切なくすべてを会員の会費と寄付で運営されています。
非行を犯してしまった少年少女の更生のために、父母または身寄りのない少年の保護者代わりとして少年審判に立ち会い、親子関係を調整し、少年少女・保護者の心のケアをするなどの付添人活動をする会員や、自立するための職親の会、学生ボランティア、その活動を資金援助する一般会員等、現在660名以上の会員が支援しています。
熊本少年友の会は毎年主に九州管内各地の少年院を視察する研修旅行を実施しており、平成23年11月には京都医療少年院を見学する機会を得ました。
心身両方の医療を実施する少年院は関東医療少年院と京都医療少年院の2か所にあるのみです。
ここでは医者が10名常駐し、内科、外科、精神科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科など総合病院の機能を有しています。
医療を第1目的におき、矯正教育が行われています。
収容されるのは手術を要するようなけがや骨折、薬物中毒、行動障害・統合失調症等で、現在身体疾患は1割、残り9割は精神疾患となったそうです。
身体疾患は時間の経過で回復しますが、心の病は大変デリケートな問題を多く含み、21歳の収容年齢期間内で改善はされますが、完治することは難しいようです。
定員は144名です。10年前の100名から毎年5名くらい減っていき、現在男子29名、女子11名が収容されていました。
それは少子化、学校の取り組み、福祉関係の取り組み等から減少してきているとのことでした。しかし、実父母が存在しているのは36%、10台で子を持った親が多くいること、親から虐待を受けた子供がその親の愛情を一心に求める姿などを聞き、親のあり方・家庭環境がやはり大きく影響していると思いました。
明るい希望は収容した少年少女の8割くらいは更生しており、医療少年院は複数担当者制であることから良い結果を生んでいるとのことです。
成人を収容する刑務所の再犯率が高いことを思うと、少年少女たちが立ち直り将来社会を担う一員となってほしいと強く願いました。
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