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リレーエッセイ |
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すみれメンバーが毎月交替で執筆します |
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懐 古 |
平成23年4月
齋藤禎子
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私は小学校3年生まで阿蘇の小さな当時は村で育ちました。我が家は昔話に出て来るような住まいで、庭から畑そして山へと続く自然の宝庫で、春はわらび狩り、夏は家の横を流れる小川で水浴び、秋は裏山できのこ狩り、冬は水車の氷柱を取ってきて、かまどの火に当たりながら食べたり等など、1年を通して自然を満喫できました。
その頃の農家の子供たちは中学卒業するとほとんどが他県に集団就職で村を離れて行き、小学生の子供達は学校から帰ると小さな弟や妹の子守をしながら友達と遊び、夕方になると急いで家に帰り、薪でお風呂を沸かし、かまどでご飯を炊いておかずの団子汁を作りいろりに掛けて両親の帰宅を待つのが日課でした。その時代の子供たちは家の手伝いをよく頑張ったと思います。
私が転校した4月には村は合併し阿蘇郡から菊池郡となり小学校の区域が変わり同級生は25人から16人になってしまいました。残念ながら現在残っている同級生は一人だけです。
私にとっては生まれ故郷、今でも昔のままの景色が残っている。帰る度に走馬灯のように思い出が駆け巡り、懐かしく、大好きな場所でもあり、阿蘇山の雄大な景色を眺めながら安堵する今日この頃です。
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