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 リレーエッセイ

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すみれメンバーが毎月交替で執筆します

ご先祖様に感謝
平成22年9月
與縄芙沙子
       
 今年も、お盆に主人と二人でお墓参りをしました。物凄く暑い日で汗びっしょりになりましたが、両親を始めご先祖様の暖かい愛情と庇護の下で私達夫婦が健康で幸せに過ごしておられることに深く感謝の念を捧げてお祈りすることで、心が清々しく爽やかになります。周囲を見回すとどこの墓も綺麗に掃除がなされ、美しい花が供えられてあり、ご先祖様を大切にされているご家族の気持ちが満ち溢れており心を和ませてくれます。でも最近は草がぼうぼうと生い茂り花も無くひっそりと寂しげに立っているお墓や、傾いて倒れ掛かっているお墓を見受けるようになりました。お墓参りをしてくれる親族がおられないのか無縁仏になってしまったのか大変悲しく心が痛みます。

 早いもので私達夫婦は昨年金婚式を迎えることが出来ました。最近は離婚が多く家庭を大事にしないとすぐ崩壊すると言われます。熟年離婚など年をとってからの家庭崩壊の話を聞くと、私たちもこれまで多難な人生ではありましたけれども、よく半世紀もの長い年月を乗り越えてこられたものと感慨無量なものがあります。お互いの理解と感謝に支えられたものではありますが、私には幼い頃の母親の厳しい躾がためになっているのではないかと感ずるこの頃です。

 主人は最近、夕食を家庭でとることが増えてきましたが私の手料理を好みます。私にとっては大変で迷惑なことですが、「美味しい!美味しい!」と言って食べて戴けるのでついつい心が和み幸せな気持ちになってしまうのです。主人の会社の元社員の中に釣りが趣味でよくいろいろな魚を沢山持ってきて戴きます。活きた魚を早速おろしてお刺身やお吸い物を作ると、主人は満面に笑みを浮かべてお酒を飲みながら「最高!最高!幸せ!幸せ!」と言って嬉しそうに食べてくれます。私達夫婦の幸せのひとときです。娘時代に母が料理を教えてくれた中に、魚の下ろし方を一生懸命習った事がこんなに役に立つととは思いもしませんでした。母は単に料理の仕方を教えてくれたのではなく、人生の奥深いものを教えようとしたのではないかと思います。母が耳もとで「どう!分かった?」と囁く声が聞こえるような気がします。

 お墓参りの帰途、運転をしている主人の横顔を見ながら私達の限りある貴重な時間に感謝し”今”を精一杯生きながら充実した人生を続けて行きたいと願いご先祖様に祈りながら家路につきました。

    
         

              
   
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