リレーエッセイ リレーエッセイ　 すみれメンバーが毎月交替で執筆します シンプル・ライフ 平成２１年７月      宇野　英美      この言葉を年頭の目標としておそらく４〜５年はたった気がします。 今となっては何に触発されて、こう思ったのかは忘れてしまったが。（たぶん当時、色々な役を受けていて、おつき合い、雑務等で心もヘトヘトになっていたのだと思います）　年の始めに、”今年こそは”と思い、とりあえず色々な物を捨てる事からはじめるのですが、成し遂げる事なく、今も私の仕事部屋は”シンプル”とは程遠い状態となっています。本来かたずけは嫌いではないのですが、それ以上に（必需品ではない）雑貨好きと物をとっておく癖があり、たぶん、いやきっと二度と使わないであろう物が、色々な引き出しに入っていて、この存在がいつも捨てる作業中に抵抗してくるのです。例えば、小学生の頃のお気に入りのえんぴつやケシゴム、スヌーピーの手提げ袋、外国製のクッキーや紅茶の缶、レースの小袋等…　これに子供の想い出の品が加わるので、かなりの量となります。捨てる袋と、取っておく袋のまん中に座り、意気ごんで作業をするのですが、心はグラグラ動き、捨てる袋につっこんだ手を、何回となくサッと引っこめて、気が付くと、捨てる袋１／３　取っておく袋満杯の状態となってしまいます。我ながらハッとなり、今年もシンプルな暮らしは、かなわないだろうなぁとうっすらと思っている自分がどこかにいるのを確信して、作業は終了となります。 なかなか現実的には難しい「シンプルな暮らし」ですが、気持ちだけは強く持ち続けていきたいと思っています。最近大好きなターシャさんが他界され、デパートで回想展みたいなものがありましたが、彼女の生き方を再確認し「ていねいに生きる」も目標に加えてしまいました。情報社会と言われ、強風の日の空の雲の様にすごいスピードで大量の情報が流れていく今の世の中で、いらない情報に飲み込まれ、心が縛られて躍らされない様、自分自身を鍛えなくてはいけないなと思っています。 私にとって心地のよい暮らしを実現する為に、まだまだ勉強が必要です。 追伸 最近　味のある雑貨が少なくなりました。お気に入りだった店も、時間と手間をかけて作っても売れなくなったと言って、変わってしまいました。これもせちがらい今の世の中の影響でしょうか。淋しい事です。どこかいいお店があったらお知らせ下さい。（九州以内で）