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リレーエッセイ |
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リレーエッセイ |
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すみれメンバーが毎月交替で執筆します |
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平成21年3月
園田千紀子 |
運転免許を取得して35年になる。仕事、買物、家族の送迎などほとんど毎日車に乗って来た。あれもこれもと間口だけは広がってしまった生活、車がないと絶対こなせないと思ってきた。
週に2日程、非常勤の仕事をしている。半年前のこと、駐車場が使えなくなり、バス通勤となった。最初はイライラしていた。バスを待つ時間が惜しい。車ならもう家に着いている頃だとか考えて。
少し慣れてくると学生時代のことが思い出された。バスの中で本を読んだり、勉強したり、しっかり眠り込んだりもしていた。さすがに今はそのようなことはできないが、車とは違って高い位置からのんびり江津湖や街の景色を楽しむようになった。
バスを降りてからは目的地までお城の石垣や木々を眺めて歩く。紅葉の季節、石垣の上の真っ赤なもみじが、ある日突然すっかり葉を落とし裸木になっていた。そうやって冬を迎え、冷え切って時間が止まった様なお城に心が落ち着いていく。さざんかや梅も咲き出した。遠目にも土色だった芝の地面が少しずつ緑色へと変化している。ほんの10分足らずだけど、飽きることのない道である。
他では相変わらず、車に乗っているので大きなことは言えないが、私の中では、Change!と位置づけている。
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