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リレーエッセイ |
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すみれメンバーが毎月交替で執筆します |
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平成21年2月
六反田 京子 |
「明日の予報では阿蘇は雪模様よ・・・!」と私。
「本当?」二匹の愛犬を両脇に侍らせてソファーでうたたね中の主人が喜々として飛び起きてきた。早速ガレージで、愛車に向かい雪道用のスタッドレスタイヤへの付け替えが始まる。何を隠そう家の主人の冬の一番の楽しみは、愛車での雪山走行。阿蘇に雪が降れば夜中でも車を走らせる。・・・と言ってももちろん安全運転で。
さて、というわけで、翌日、小雪のちらつく中、愛犬二匹と愛妻?の私を乗せて車はいざ雪を求めて出発。快調なドライブでご機嫌な主人。勢いにまかせ久住まで足を延ばしてみる事になった。
外気はすでにマイナス6度。周りの景色も徐々に白さを増してくる。瀬の本辺りではもう真白の銀世界。雪に加え風も増す中、行き交う車も少なく、アイスバーンを気にしつつの運転。雪国気分満点の中、やっと牧の戸峠までたどりついた。舞う雪の中、何台かの車と、ダウンを着込んで重装備のカメラ片手の人たちが見える。私達もちょっと一息とレストハウスに入った。
店内を見渡すと、さすが登山口。マップや下着、防寒用品が並んでいる。主人の大好物の甘酒を頼みストーブに当たっていると、三人ばかり登山客が下山してみえた。手慣れた様子でピッケルを置きアイゼンをはずす姿はどことなく風格があり頼れる山男という感じ。山頂まで往復約4時間。寒さ厳しく、ペットボトルは凍り、手は凍傷になりそうな位だったらしい。今日のように風も強いと、雪煙で視界が悪くなる「ホワイトアウト」になることもあるそうだ。温かいミルクと甘酒を片手に、ひとしきり山の様子を伺って、小一時間程経った頃には主人も私もすっかり山仲間気分。
帰り際、折角だからと私達もプチ雪山登山に挑戦してみることにした。木も山もすっぽりと雪に覆われて、時折の強い風に雪が顔を刺し、痛いほどに澄んだ空気が体を包む。雲の合間に見える青空の眩しいこと。登山道の雪を踏みしめながら自然の厳しさと美しさを体感したひと時を過ごした。
九州でのプチ雪山体験。ご希望の方は是非一度雪の牧の戸へお出かけ下さい。
もちろんチェーンもしくはスタッドレス装着で・・・。
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