人の世やゆらゆら遊ぶ花蓮華 |
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車窓より、久しぶりにれんげ畑を見た。風になびく人生もいいなぁ、、、と作った句。 |
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濃く生きれば そこは初夏の扉なり |
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30代半ばの句。仕事、家庭、バタバタ走っていたら、蝉の声で夏を知った。 |
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落日の手前にそっと夏薊 |
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夕刻の阿蘇にたたずんでいたら、足元に一本の夏薊があった。薊から、背中を押されて、下山した日の句。 |
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枯蔦と遊んでいるのは影法師 |
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大都会のコンクリートの隙間に、影が揺らいでいた。
しばし見とれた蔦の宴。 |
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兎一羽借りて初夢に入れる |
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おめでたい兎をちょっと、初夢にお借りして、一年良いことがありますようにと、年賀状をお送りした方々に送った句。 |
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冬晴(ふゆばれ)の海刺す竹の百・二百 |
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息子を学び舎に置いて帰る。長崎本線の車窓から見える有明の海。大きい句だと先生から褒められた句のひとつ。 |
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野火走る老いゆく男の背には旗 |
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男は、背中に旗を背負っている野武士。
私の俳句の師、俳句結社「夜行」 宮部鱒太翁です。言葉の伊呂波〈イロハ〉を叩き込まれました。その翁へ・・。 |
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いずれにも属せぬ一日(ひとひ) 冬菫 |
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ある冬の日にふと、出てきた句です。最後の季語だけは、考えました。そういう日はだれにもあると思います。九州俳句誌でも、取り上げて頂いた一句です。 |
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雲海や昇り行くほど亡父(ちち)は霧 |
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飛行機に乗るたびに、雲海を見ると涙がでる。父はこの雲の上にいるのだろうか、、、 |
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最後に主人へ・・・ |
初雪に濡れて帰りし夫(つま)の肩 |
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