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リレーエッセイ 
すみれメンバーが毎月交替で執筆します
 

タイムスリップ
平成20年8月
河津 敦子
       

 年齢を重ねたせいでしょうか、昔の事が懐かしく思い出され、約60年くらい前に「タイムスリップ」して見たいと思います。

 私が中学に入学し寮生活を始めましたのはまだ、戦後5年位しかたっておらず、食糧難の頃でした。当時は交通の便が悪く、木山、西原方面からの方にも寮生活の人がおられたと思います。寮では先輩後輩の規律がはっきりしており、田舎からのポット出の私には辛いこともありましたが、家族のように優しくしてもらい忘れられない思い出となりました。
 その当時寮生活は、朝食の時、皿にサツマ芋と器にご飯と、少しのおかず、2食分が付いて来ます。おかずは千切りにして甘辛く煮たスルメ・昆布・漬物ぐらいだったと記憶しています。朝サツマ芋を食して学校の弁当に1食分のご飯をつめて行くわけですが、それでも美味しいお弁当でした。通学生の方達は色取りの良い愛情一杯のお弁当でしたが、たまには少し、おすそわけを頂いたものでした。
 当時の友人7名で年1回2泊3日の小旅行を18年続けていますが、同じ釜の飯を食べた仲と云うものは、たまにしか逢えなくても言葉では表現出来ないくらい心に通じ合えるものがあるようで、12、3才の当時に戻った様な気になります。
 昭和28年6月26日の大水害の時は1階の部屋の畳が「アッ」と言う間にプカプカと浮き、寮監の先生の指導で屋根づたいに、1人として滑り落ちる事もなく避難し、体育館の2階で泥まじりの炊き出しのおにぎりを有難くいただき、2週間程そこで生活しました。また、当時「君の名は」というラジオ放送があり、ただ一つの楽しみに皆聞き入ったものです。
色々ありましたが、今思えば人生の良い栄養になっていると思います。

最後になりましたが、「ソロプチミスト」の皆様と素晴らしい出会いが出来ましたことも私の大きな財産だと思っております。今後共宜しくお願いいたします。
 昔むかしの思い出でした。






              
   
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