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 リレーエッセイ

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すみれメンバーが毎月交替で執筆します

おかげ様です
平成18年7月
渡辺寛子 

ワールドカップ(W杯)の試合をテレビ観戦しすぎて寝不足が続いています。
おかげ様でSI熊本−すみれに入会して早くも20年になろうとしています。全く「光陰矢の如し」とはこの事です。

その間、私にはつらい事が起りました。それは病気です。「多発性骨髄腫」というもので、平成14,15年と入院治療し、ソロプチミストを休会したことです。この病気で、全くまな板の鯉になりました。レントゲンに出てくる骨髄腫が、腰の骨髄に4.5pも圧迫骨折を起し、肋骨のあちこちの腫瘍、右肩の腫瘍による複雑骨折、頭蓋骨全部の腫瘍を目の当たりにした時は、唖然となりました。

ソロプチミストは退会しようと思い、会長に相談しましたら、「休会したらいいのよ。」との一言で、もしかして、私は生きて帰れるのかもしれないと思いました。毎週水、木、金、土と、お茶の社中の稽古のことも心配になりました。色々と次から次へと心配事が出てきました。主治医から「この病気は気力と体力が勝負です。そしてお茶のことだけを思って下さい。」と言われました。

「何だろう。この医学の発達した世の中に、気力と体力が勝負だ、なんて。」と思いました。「もうだめだ!」と何度思った事でしょう。長い間の病気との戦いでした。皆々様から、「死んではいかんよ。」「生きらにゃんよ。」「頑張なっせよ。」とお励ましと元気をどれだけ頂いた事でしょうか。

おかげ様で、あきらめていた命を助けていただきました。ようやく、平成15年7月退院し、又、ソロプチミストに復帰致しました。会員の方々のやさしさや笑顔に接した時、涙がとめどもなく流れました。

その年の秋、歩くことも出来ず、体調は芳しくありませんでしたが、母校百周年記念茶会を皮切りに、翌年の春には、30年来続けてきた中央公民館の茶会 そしてSI熊本−すみれのチャリティー茶会に奉仕出来ました事は、この上ない喜びで一杯でした。

次から次へといつか昔のように忙しく毎日を過す中、今年は新年早々、表千家家元の初釜席で、「福」「禄」「寿」の「福」が福引きで当たり、家元直筆の「福笑いに、犬の画賛」の色紙を頂き、幸先良しと喜びも一入でした。

さて、私にとって、大袈裟ですが、一世一代の表千家月釜を5月28日に懸けさせていただきました。病気の為に月釜は一度キャンセル致しておりました。もう、釜を懸ける事は出来ないと思っておりましたが、自分自身に言い聞かせました。…「私の体力の限界は 今が一番良いのではないか。」と。

その日がやってきました。社中や皆様のおかげを頂き、多くのお客様にお出かけいただき、12席を務める事が出来ました。長いようであっと云う間に過ぎてしまった1日! 本当に おかげ様でした。釜を懸けられる幸せを感じた一日でした。




   

   















  
 

   ☆似顔絵イラストは松藤真理子会員の作品です





              
   
ソロプチミストシンボルマーク