熊本の女性たちが集り、活動を始めて25年となる熊本県ユニセフ協会は、当初よりアフリカに焦点を当て、毎年アフリカ各国の大使たちは熊本への招待を楽しみにしているという。この日の講演会は1000名を越える高校生たちがホールを埋めた。弁護士であり、2017年から日本人初の子どもの権利委員会委員として活躍している大谷美紀子氏の、「人権文化、平和の文化」をテーマにした講演があり、一人一人が平和的な振る舞いをしていくことが大事であると説いた。会場の多くの生徒たちが活発に質問をし、私たちSI熊本―すみれが3年前に表彰したホロコースト資料センター長の石岡史子氏は、ハンナの鞄活動を通して「記憶の文化」も必要であると訴えた。
ある高校生の「平等の権利とはどういうこと」との質問に、ルワンダの教育に尽力しているマリールイズ氏は、自身の出産に際し母子手帳を貰った時、この上もない自由と平等を感じたこと、「母子手帳を見せて貰いなさい、そこに存在の歴史があるのよ」とこたえた。その時、一瞬会場のざわめきが止まった。若者たちの反応は実にシンプルで俊敏であると感じた。
会場の生徒たちとパネリストとの質疑応答は実に興味深く、夢を拓くに着手している私たちソロプチミストにとっても有意義な講演会であった。