私は毎日、花岡山に散歩を日課としています。
1時間で丁度いい距離で、きれいな空気、道端には季節ごとに色々な草花や木々を眺めて、楽しんで足を鍛えています。
仏舎利塔にお参りをし、その前に熊本市内全域、八代方面から阿蘇の噴煙まで見える所に長椅子がありますので、そこで10分位眺めて帰ります。
その椅子に掛け眺めていると、花岡山上まで自転車を漕いで登る青年がいます。「元気だなあ。」と、見ていました。
ある日、その椅子に掛けている青年に
「貴方でしょう?自転車で登っているのは。」と尋ねると、その青年でした。
しかし、言葉が何となく日本語と違うので、
「どこの国ですか?」と聞くと、ネパールから仕事に来ている事がわかりました。
日曜は休みだから、お釈迦様にお参りに毎週来るのだそうです。
「私は帰るから。」と言うと「私も帰ります。」と言って、
私は自転車の横を駆け足で山を下り、
「私の家は花岡山の下だから、お茶でも飲んで行ったら。」と誘い、
「日本の家庭に来たのは初めてです。」と言って、喜びうれしそうに帰って行きましたが、次の日曜日も次の日曜日も丸四年間、「明日来ていい。」と電話するのです。
携帯を持っていないので、公衆電話から10円入れて話をするので、すぐ切れます。30円位入れておいたら残りは戻ってくるからと、10円玉を10枚位渡してました。
私の高校時代からの友人達と食事をしていると
「今どこに居る。」と電話し、皆が「来ていいよ。」と言ってくれ、同窓会まで参加するのです。
日本には友人はなく、国に残してきた子供と奥さんは、ネパールの地震で家も崩壊しテント暮らしだそうで、家を造る為給料をすべて送金している様です。
四年間も熊本に居るのに県外には行ったことがなく、九州位見て帰ってよと、長崎、鹿児島、福岡と旅行に連れて行きました。
ビザが切れる11月にはネパールに帰るので、先日はハウステンボスに連れて行き、最後の旅となりました。
とても心優しい性格で、家の事も色々手伝ってくれ、漢字の検定も勉強し合格しました。